芸術の山

芸術の山とは、制作者にとって真に有益な批評的ツールを具現化する媒体である。

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【批評と芸術】

 人はなぜ生きるのか、という問いかけに対して、普遍的な正答を出した者はいまだいない。それはつねに生きている者から発せられる問いだからだ。死者あるいは生まれ得ぬ者からこのような問いは生まれないだろう。生きている者は既に生きている。マルセル・デュシャンは「解答はない。なぜなら問題がないからだ」という言葉を残したが、批評もある作品に対して何らかの解答を与えるものではない。むしろ何もない場所に強引に問題を創造するのである。
 ところで、芸術という概念は近代に確立したイデオロギーにすぎないと言われる。しかし、われわれは近代-現代に既に生きている。言語に残るように、人類史上つい最近まで多くの土地で人間とは男性のことであった。われわれは階級や地位によっては無条件で人を殺害することが許される共同体に暮らしていた。しかし現代において、このような価値観に準拠した思考様式に則って生活を営む者は稀だろうし、いたとしてもまともな日常生活はおくれないだろう。芸術という知覚/経験は文明の誕生以前からすでにわれわれに備わっていた。批評も芸術とともに生まれた。芸術がかたちをもち、それを知覚し経験する者がいる。それらは互いに別個の存在であることは自明である。互いが互いを動かす動力となり、その動力は対象と観者の知覚との振幅の大きさに由来した。屋上に屋根を設営してもしょうがない。
 デュシャンに戻ると、彼はあくまで端的な事実を述べたにすぎないのだ。そして、彼の限界はその事実に自足した点にある。あらゆる問題に解答はないが、解答がないからといって問題がないわけではない。
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